競泳で4つの五輪金メダルを獲得した北島康介氏(35)の「顔」が、また増えた。スポーツ用品販売大手のゼビオは6日、都内で会見を開き、北島氏のスペシャルアドバイザー就任を発表した。北島氏はゼビオに在籍する現役アスリート社員の支援、現役を退いたアスリートのセカンドキャリアの支援などを行う。

 金メダリスト、会社社長などの「顔」を持つ北島氏に、ゼビオのスペシャルアドバイザーの新たな肩書が加わった。ゼビオには現役、元アスリートの社員が53人在籍する。同社は20年東京五輪へ、現役、元アスリート社員を倍の100人に増やす計画がある。そのキーマンとして選ばれたのが北島氏だった。

 現役時代は華やかなアスリートたちだが、引退後のセカンドキャリアに困らない人間は、ほんのわずかなトップ選手に限られる。今回、スペシャルアドバイザーに就任したゼビオには、現役時代は仕事と競技、引退後は、そのまま仕事に専心できる環境がある。仕事と競技を両立できる社員を増やし、現役、元アスリートの仕事環境を高めることが、北島氏の役目になる。 09年6月、選手のマネジメント、水泳教室などを展開する「IMPRINT」を設立。14年からは東京都水泳協会の理事に就任。15年には最新のトレーニングの器具、知識、技術を提供する会社「パフォームベタージャパン」を立ち上げている。また、新たな「顔」が増えた北島氏は「引退して約1年。どう現役選手に、恩返しできるかを考えてきた。今回の(スペシャルアドバイザー就任を)きっかけの1つにしたい」と、現役、元アスリートたちに、自分の経験などを最大限伝えていく決意だ。