平昌五輪金メダル候補の小平奈緒(31=相沢病院)が今季開幕から500、1000メートルで4連勝を飾った。500メートルで今季自己最高の37秒08で圧勝。1時間後の1000メートルも1分14秒33で制した。500メートルは全勝だった昨季からの連勝記録も19に伸ばした。W杯通算勝利数は岡崎朋美を超え、日本女子歴代最多14勝となった。1000メートルは高木美帆(23)が2位に入り、前週ヘーレンフェイン大会に続き、日本人ワンツーフィニッシュを決めた。

 見慣れた光景だ。小平は、この日も当たり前のように勝った。まずは500メートルで今季最高の37秒08を出し、2位に0秒79差をつける完勝。1時間後の1000メートルも、前週開幕戦ヘーレンフェイン大会に続き、連勝し、2週連続で高木美との日本人ワンツーフィニッシュを決めた。日本女子ではW杯歴代最多14勝目。尊敬する岡崎朋美を超える節目の記録だったが、ゴール後、派手に喜ぶことはなかった。

 日本女子歴代最多勝利の節目1週前のW杯ヘーレンフェイン大会では500メートル2勝、1000メートル1勝と開幕戦から3レース全勝と万全の結果を出した。だが、本人は「まだまだ」を繰り返し「すいません、あんまり喜んでなくて」と言った。記録、結果は関係ない。大好きなスケート。理想の滑りを求め五輪すら通過点と思うから、どこにも満足感はない。

 「明日死ぬかのように生きよ。永遠に生きるかのように学べ」。インド独立の父マハトマ・ガンジーの言葉を好む。今季のモットーは「日々自分超え」。スケートをとことん追求し、全力で滑る。500メートルでは昨季から19連勝。今季は1000メートル合わせて4戦全勝。貪欲な姿勢が、無敵状態の根幹をなす。平昌五輪に向けて、周囲がさらに騒ぎ出しても、今のままなら重圧とは無縁のようだった。