来年2月に平昌(ピョンチャン)冬季五輪を控える韓国で、高病原性鳥インフルエンザウイルスの検出が続いている。五輪開催地での検出は現時点でないが、聖火リレーのコースが変更されるなどの影響が出ている。当局を含めた関係者の緊張が高まっている。

 23日までに南西部の全羅北道の高敞や全羅南道の順天でウイルスの検出が確認された。聖火リレーは20日に渡り鳥の飛来地として有名な順天湾付近を通る予定だったが、急きょ湿地に近づかないコースに変わった。大会組織委員会は「今後も聖火リレーの予定地で鳥インフルエンザが発生すればコースを変更する」と細心の注意を払う構えだ。

 五輪でスケートなどの舞台となる江陵に近い襄陽でもウイルスが検出されている。国内の新聞やテレビは発生地付近で車両を消毒する様子などを大きく報道。韓国では近年、冬場にウイルスの発生が続いており、農林畜産食品省はホームページのトップ画面で「防疫に総力を尽くす」と強調する。平昌や襄陽が位置する江原道の関係者は「五輪を前にウイルスが拡散することは防ぎたい。政府と連携して対策に取り組む」と力を込めた。