女子2回戦で聖和学園(宮城)が、80-60でアレセイア湘南(神奈川)に勝ち、5年ぶりの3回戦進出を決めた。高野柚希主将(3年)が両軍最多の28得点でチームをけん引。小野裕コーチ(41)からMVPに選ばれた。日替わりでヒロインが誕生する全員力で、20年ぶりの4強進出へ、強豪も撃破する。

 高野がチームに勢いをつけた。第1クオーター(Q)。12-13の場面から2点シュートを決めると、続けて3点シュートを2本沈め、逆転に成功した。6点リードで迎えたハーフタイムには「0-0の気持ちでやろう」と気合注入。第3Qでも13得点をたたき出し、試合を決めた。内外のシュート決定率は8割で、28得点をマークした。

 小野コーチは試合ごとにMVPを発表する。前日の1回戦では、23得点の相原百良(ももよ、3年)を選出。試合ごとにヒロインが変わる状況に「うちはいつも、日替わり弁当なんでね」とにんまり。笑みを浮かべながら「外からのシュートが大味だったんでね。丼かな」とMVPを弁当にたとえた。3点シュートを6本中5本成功させた高野は「明日もしっかりと続けていきたい」と意気込んだ。

 “高野丼”の次はどんな弁当がチームの力になるのか。今日25日の3回戦で対戦する東京成徳大高には、春先の練習試合で「ほとんど点が取れず、選手は泣きべそをかいた」(小野コーチ)。さらに07年と11年にも3回戦で対戦し、ともに敗れている。チーム2位の14得点だった鈴木三菜(3年)は「全員がいろんなポジションから攻められるのが強み」とリベンジに向け、日替わり弁当の継続を宣言。8月にU-18日本代表に県内で唯一選ばれた今野紀花(2年)もいる。メニューが増えれば、目標に掲げている20年ぶりの4強が見えてくる。【秋吉裕介】