バレーボールの全日本高校選手権が今日4日、東京体育館で開幕する。北海道から男女4校が出場。男子の東海大札幌、北海道科学大高、女子の札幌大谷が4日の1回戦に登場する。元日本代表の佐々木みき監督(41)率いる女子の北海道大谷室蘭は明日5日の初戦(2回戦)で、金沢商(石川)と安来(島根)の勝者と対戦する。

 現役時代に「レオ」の愛称で親しまれた佐々木監督が、指導者として全国に初挑戦する。「チームに特別な選手はいない。練習しないとうまくなんてならない」。14人の全部員が室蘭市か近郊の中学出身。身長170センチ以上の選手も、北海道選抜に選ばれるメンバーもいない。自らスパイクを打ち、一にも二にも練習で選手と汗を流し、つかんだ全国舞台だ。

 11年の現役引退後、地元室蘭市に戻った。知人の紹介で13年にコーチ就任。昨年から監督として指導する。「とにかく厳しく練習させている。それが勝つためのやりかた」。練習に身の入っていない選手は容赦なく外す。必要とあれば、全員の前で厳しく叱責(しっせき)する。愛のムチについてきた選手は着実に成長。戦える集団に生まれ変わった。

 登別大谷1年時に出場した92年度の春高バレーで2勝。翌年度も初戦突破に貢献した。25年後の新春、目標は「最低ベスト8」に設定した。初めて入学時から成長を見届けた現3年生の指導者として「ステップは1つずつ上がっている。子どもたちの全てを出し切れるように持って行きたい」。佐々木監督が静かに闘志を燃やす。【浅水友輝】