ハンドボール日本代表のベテラン宮崎大輔(36=大崎電気)が10日、カヌー競技で起きた禁止薬物混入問題で「そこまで追い込まれていたとしても、絶対に同情はできないですね」と、ショックの大きさを隠さずに言った。この日、アジア選手権(18日~・韓国)日本代表に選出された宮崎は、都内で行われた代表の練習後に「若手との争いは正々堂々とやらないと。僕は努力と辛抱だと思っています」と、ベテランとしての心構えを口にした。

 昨夏の日韓戦で日本代表に復帰。ダグル・シグルドソン監督(44)からは、それまでのセンターや左45度というバックではなく、サイドのポジションを与えられた。「国内にもサイドプレーヤーで優秀な選手は多い。生き残るのは大変ですよ」と話し「シュートのバリエーションとか、ポジショニングとか、やるべきことは多い」と、貪欲に新しい挑戦に取り組む。

 20年東京大会は開催国として88年ソウル大会以来の五輪出場が決まっている。04年アテネ大会の予選から出場し「中東の笛」で再試合となった08年北京大会など4回阻まれた五輪の夢。「39歳だけど、めちゃくちゃ出たい」と、ラストチャンスにかける。

 多くの競技でベテランと若手が出場を目指す東京五輪。地元大会だけに、その争いはこれまで以上に激しくなる。だからこそ「競り合って競技のレベルが上がることが大切。出場という結果は大切だけれど、それだけでじゃない。出場を目指す過程も大事。それが、スポーツだと思う」。宮崎は激しい代表争いの渦中にいる自らに言い聞かせるように話していた。