男子初の高校生代表、部井久アダム(18=福岡・博多高)が、世界を目指してアジア選手権(18日開幕、韓国)に臨む。日本は壮行試合のバーレーン戦に20-21と惜敗。部井久は腰痛で限られた出場時間ながら豪快なシュートで1得点し、観客を沸かせた。

 「負けは悔しい。もっと点が取れた」と18歳は悔しがった。前半20分、途中出場すると右腕をしならせて同点ゴール。しかし、その後3本のシュートでは得点できず「(シグルドソン)監督から積極的に打てと言われていたけれど、もっと決めないと」と中心選手の風格で話した。

 昨年7月の日韓戦で代表デビューした「将来のエース」(シグルドソン監督)は、卒業後の欧州クラブ入りを目指す。中大に籍は置くものの「強い当たりに慣れるためにも、海外でプレーしないと」と語る。既に数クラブと交渉中で、アジア選手権での活躍は欧州移籍の後押しにもなる。

 ハンドボールを始めた直後、日本代表のエース宮崎大輔と写真を撮った。小学6年で「雲の上だった」という36歳のベテラン宮崎とともにプレー。「トップレベルでプレーを続ける大輔さんもすごいけど、自分の成長にも驚く」と部井久。194センチの将来のエースが、アジア選手権でさらに大きくはばたく。

 ◆部井久(べいぐ)アダム 1999年(平11)4月21日、福岡県生まれ。小5の時に福岡県タレント発掘事業に参加し、福岡・多々良中央中でハンドボール部入り。U-16から年代別代表を経験し、昨年の世界ユース選手権ではベスト8入りに貢献。パキスタン人の父と日本人の母、姉、妹。194センチ、94キロ。