バスケの街・能代を大いに沸かせた。東地区首位の秋田ノーザンハピネッツはホームでの今年初戦で、最下位の岩手ビックブルズを76-64と退けて3連勝を決めた。同点で迎えた第2クオーター(Q)に、24-9と一方的な展開を披露し、バスケの街・能代市民をうならせた。1シーズン1回のみの能代開催2試合の初戦を制し、ホーム戦の連勝を「8」に伸ばした。岩手は22連敗、監督交代の仙台89ERSも白星を飾ることはできなかった。

 試合後ジョゼップ・クラロス・カナルス・ヘッドコーチ(48)は「今日は熱い応援ありがとう」と、声を張り上げ、応援したブースターに感謝した。第3Qこそ差を縮められたが、第4Qには再び盛り返した。相手選手が白浜僚祐(26)へのファウルで退場すると、熱気はさらにヒートアップ。名門・能代工で有名なバスケの街。市民の血を騒がせる最終Qだった。

 第2Q、最下位の岩手に格の違いを見せつけた。その火付け役は両軍最長208センチの大男、ナイジェル・スパイクス(28)のダンク2連発がチームに勢いをつけた。2度目を決めた瞬間は、興奮するブースターを「どうだ」と言わんばかりの表情で見つめ続けた。

 さらに田口成浩主将(27)が、その勢いを加速させた。9点連続得点の最後を締めくくった3点シュートは、相手選手からファウルを受けながら放ち、コートに倒れた。その闘魂に、スタンドはさらにヒートアップした。14日、熊本でのオールスターの「3ポイント・コンテスト」に出場した。初代王者として2連覇を狙うも、わずか1点差の惜敗。それでも、精度の高さを全国に見せつけた。

 立役者は2人だけじゃない。フリースローで失点を重ねてしまった第1Qは、白浜が3点シュートを3本ともすべて成功させ、同点に持ち込んだ。白浜は「新年初めのゲームに勝てて良かった。明日(21日)もっと面白いと思える試合をします」と宣言した。【秋吉裕介】