2月の平昌五輪(ピョンチャン・オリンピック)代表伊藤有希(23=土屋ホーム)が、今季最高の2位に入った。1回目で90・5メートルで2位につけて、2回目も91・5メートルでまとめた。持ち味の美しいフォームで得点を伸ばし、昨年連勝した幸運の蔵王で復調の兆しをつかんだ。高梨沙羅(21=クラレ)も3位に入って、日本勢が今季初のダブル表彰台。個人総合トップのマーレン・ルンビ(23=ノルウェー)が5連勝を飾った。

 降りしきる雪にも乱れない。伊藤が美しい飛型で蔵王の空を切り裂いた。2回の合計飛型点は怪物ルンビを上回り全選手中トップ。「着地も大事だと思って、力を入れた。(荒天で)皆が着地しづらい中でアピールすることで点数がもらえる」と狙い通りの2位だ。

 今季は助走が課題だった。13日からの札幌2連戦ではライバルに時速2キロの差をつけられた。それでも葛西紀明からの「アプローチがはまれば、うまくいく」との助言を信じた。本番直前まで短くカットしたスキー板に乗って、助走の姿勢で斜面を滑る動きを反復し、改善した。札幌大会から葛西にプレゼントされたヘルメットを使用。「あれから良くなってます。(絶好調時に比べて)まだ半分ぐらい。まだまだ上げます!」と大きな声で宣言した。【益田一弘】