男子シングルスで、張本智和(14=エリートアカデミー)が男女通じて史上最年少となる14歳208日で初優勝を飾った。2年後の東京五輪会場で、ジュニアに続く最年少で2冠達成。五輪本番に向けて大きな1歩を刻んだ張本に母・凌さんが手記を寄せた。

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 トモ、おめでとう。今月8日はわたし、24日は夫の誕生日。最高のプレゼントを贈ってくれました。親として誇りに思っています。

 夫とともに仙台ジュニアクラブのコーチとして来日したわたしは98年に結婚。03年に智和が生まれると、すぐに練習場に連れて行きました。よちよち歩きになると、球拾いをして、2歳くらいのときは、もうラリーをしていました。

 幼少期から負けず嫌いでした。幼稚園のときはトイレに行くときも1番、小学校のときは宿題も1番早く提出。卓球で負けると、トイレからなかなか出てこないこともしょっちゅうでした。夢はぶれずにずっと卓球選手。わたしも不思議なくらい、卓球のために生きている感じでした。

 夫とともに卓球の厳しさを知るだけに、当初は選手になるのは反対でした。考えが変わったのは小学4年時の全日本ジュニアの県予選。3ゲーム先取で0-2のゲームポイントを握られた時でした。そこから3-2と大逆転したのです。泣きました。この子は違う。わたしを超えたと。以来、トモの卓球人生を支えようと考え直しました。

 小学校の卒業式で「東京五輪金メダル」を宣言しました。これからも夫とともにその夢を応援していくつもりです。(張本凌)