柔道女子63キロ級の田代未来(23=コマツ)が、ピョンチャン・オリンピック(平昌五輪)スピードスケート女子中距離のエース高木美帆(23=日体大助手)の言葉を胸に今年の初戦を迎える。

 6日、グランドスラム(GS)パリ大会出場のため羽田空港を出発。親交がある高木が10日の3000メートルで日本勢のメダル1号が期待され、田代は「心から応援している。美帆ちゃんが大好きで尊敬しているし、金メダル1号になってもらいたい」とエールを送った。

 この日の朝、テレビでスピードスケートの映像をたまたま見た。高木が「五輪は特別な舞台だけど、それだけが特別な舞台ではない」と話しており、平常心で戦うことの大切さを学んだ。「美帆ちゃんは心が強い。私もこういう気持ちで(16年リオデジャネイロ)五輪に出場していればと思った。今日の言葉を聞いて、改めてすごいなと思ったし、私もその心を持って18年のスタートを切りたい」。

 リオ五輪は5位でメダルを逃した。16年11月には左手首を手術し、昨年6月に実戦復帰。しかし、女子63キロ級は国際大会での成績不振により17年世界選手権の代表派遣が見送りになった。そんな中、昨年12月のGS東京大会優勝、マスターズ大会では世界女王のアグベニュー(フランス)を破り大会3連覇を達成するなど完全復活を印象付けた。GSパリ大会は世界選手権(9月、バクー)の代表選考の1つでもある。「けがにより、畳の上に立って勝負出来ることが本当にうれしいと感じる。柔道家として当たり前のことが、当たり前でないと考えられるようになったのは成長。気持ちを高ぶりすぎず、それでも強気でいく。平常心が一番」。田代は高木の言葉を胸に刻み、機上の人となった。