レバンガ北海道の折茂武彦選手兼社長(47)がまた、金字塔を打ち立てた。西宮ストークス戦で、現役Bリーグ選手で初の国内リーグ戦通算700試合出場を達成した。1993年(平5)のデビューから25シーズン目。「9000点」「3点シュート1000本」「2万分出場」に続く、節目の記録に到達した。チームは西地区5位の西宮に109-74で勝利。リーグ戦で初の100点ゲーム、今季最多得点差となる35点差で圧倒した。東地区暫定6位のままだが白星を1つ先行させた。

 記念の日も、折茂は淡々と仕事を完遂した。1Q残り4分5秒でコートに立つと、2分後に左コーナーから3点シュート。残り52秒、目の前に弾んできたボールをつかみとって2点を追加した。前半だけで2本の3点シュートを含む10点、計12得点で貢献した。試合後、インタビューで700試合を祝福され「どうでもいいです」とおどけた後、「長い間やってきた結果。みなさんに感謝したい」と表情を緩めた。

 3連敗となった2月17日の川崎戦後、日本代表のW杯アジア予選のため、15日間試合がなかった。全体練習の合間をぬって2回の講演会を行い、メディア取材を受けた。疲労で両腕に発疹が出た。それでも「今回はゆっくりする時間があった。体調もいい」と泣き言は口にしなかった。

 第一人者として、W杯予選4連敗中の日本代表チームを案じる。「スキルは僕たちより上なのに、何かが足りない。僕らの方が勝ちにガツガツしていた気はする」。かつての代表戦で中国、韓国とユニホームをつかみ合い、乱闘すら経験した。荒れた試合を勝ちきり、98年に31年ぶりの世界選手権出場を果たした。だからこそ現代表の物足りなさを指摘し、奮起を促す。

 大卒後「弱いチームを強くする」と、リーグ下位だったトヨタ自動車に入社した。4年目に準優勝した。年間50%の3点シュートを成功させ、初のベスト5を獲得。そして、この日の700試合。今節は眼前の敵、東地区4位SR渋谷、5位栃木が2連敗しており、2連勝ならチャンピオンシップ圏の4位が一気に近づく。「2つ取らないと、意味がない」。701試合目の今日6日も勝利へ、47歳が躍動する。【中島洋尚】

 ◆北海道の大量得点差勝利 5日の西宮戦で35点差をつけて勝利。北海道にとって、今季Bリーグでの最多得点差での勝利となった。これまでの最多得点差は、2月9日SR渋谷戦(90-64)17年11月4日琉球戦(77-51)の26点差。