レスリング女子で五輪4連覇を達成した伊調馨(ALSOK)が、日本協会の栄和人強化本部長からパワーハラスメントを繰り返し受けたとする告発状が内閣府に出された問題を受け、伊調は13日、東京都内で内閣府の聞き取り調査に応じたと関係者が明らかにした。非公開で行われ、内容は「公正な判断の妨げになる」として詳細は明らかにしていない。

 聞き取り調査は日本協会も弁護士らによる第三者機関が近く行う予定。伊調側は正式な打診があった場合に応じるかを検討するという。

 告発状を提出した貞友義典弁護士は13日、伊調のコーチを務めた強化委員だった男性らが12日に内閣府の聞き取り調査を受けたことを明らかにした。貞友弁護士によると、男性は栄氏のパワハラの実態を具体的に訴えたといい、原因も述べたという。

 告発状によると、栄氏は地位を利用し、男性に伊調の指導をやめるように命じ、従わなかった男性を脅したほか、同選手が練習場所としていた施設に出入りできないように圧力をかけたとされる。栄氏、日本協会はともに告発内容を否定している。