体重無差別で争う、柔道の全日本選手権(29日、東京・日本武道館)に初出場する73キロ級世界王者の橋本壮市(26)が28日、東京・講道館での選手説明会に出席し、「体重増」の独特の調整で夢舞台に挑むことを明かした。

 全日本選手権には60キロ級世界王者の高藤直寿(24=ともにパーク24)に次ぐ軽量で臨む。現在の体重は78キロで「焼き肉増量作戦」で本番までに80キロにするという。28日夜、家族と夕食を取る予定で「焼き肉をたくさん食べて2キロ増やします。こんな調整初めてです。焼き肉パワーで、明日はバチバチ重量級を倒して会場を沸かせます」と自信を除かせた。

 2月に規律違反で強化指定AからBに降格など6項目の処分を受けた。問題が発覚した日にバリカンを購入。「反省と気合と反省」として高校生以来の6ミリの丸刈りにした。所属が主催する小学生向けの柔道教室に積極的に参加した。改心し「子どもたちによい手本となる柔道家になりたい」と何度も口にした。

 全日本選手権の出場者は重量級選手がほとんどの中、橋本と高藤の存在は際立つ。東海大3年の時に81キロ級から73キロ級へ転向し、重量級を「得意」とする26歳。「(高藤)直寿と自分が出場することで、子どもたちに何か感じてもらえたら。全日本は柔道家の夢であり、その夢舞台に挑む姿をぜひ、多くの人に会場で見てもらいたい。記録と記憶に残る柔道をします」と、迫る大舞台に胸を高鳴らせていた。