モナコGP決勝でトロロッソ・ホンダはピエール・ガスリーが10番グリッドから7位まで順位を上げてチームとして今季3度目の入賞を果たした。ガスリーは性能低下の大きいハイパーソフトタイヤをスタートから37周目まで保たせるという大胆な戦略で前走車に抑えられることなく本来のペースを発揮してポジションアップに成功した。

 

「あんなにハイパーソフトが保つなんて本当にビックリだよ。レース序盤はタイヤをものすごくケアして、前のみんながピットインしていなくなったところでプッシュし始めたんだ。そこでピットインしてウルトラソフトやスーパーソフトに換えたみんなよりも速いペースで走ることができて、かなり速かった。そのペースのおかげでポジションを上げることができたんだ。モナコのような抜きにくいサーキットで、しかも僕自身F1で初めてのモナコでこれだけのレースができて本当に嬉しいよ」(ガスリー)

 

 予選では10位に終わったが、これはコース上の渋滞やドライビングミスによるもの。チームとしては3強チームの6台に次ぐポジションも期待していたようだ。決勝ではピットストップを遅らせることで渋滞を回避して本来の速さを発揮することがこの結果に繋がった。

 

 ホンダの田辺豊治テクニカルディレクターはこう説明した。

 

「当初の想定ではもうちょっと早く入る予定でした。ただレース展開とタイヤのデグラデーションを見ながら、いけるところまで長く引っ張った方が得だよね、という話は最初からしていました。レース序盤にみんなに吊られて同じタイミングでピットストップしてしまっていたら、おそらくポジションは上げられていなかったでしょう。チームとしてはあそこでステイアウトするのはかなり悩んだし勇気の要る戦略だったと言っていましたが、ガスリーのタイヤの保たせ方と戦略が上手く結果に繋がったと思います」(米家峰起通信員)