世界21位のノバク・ジョコビッチ(31=セルビア)が、ついに復活した。68年オープン化(プロ解禁)以降、初の30歳以上同士の決勝。南アフリカ選手として初の男子シングルス優勝を狙った同8位のアンダーソン(32)に6-2、6-2、7-6で勝ち、3年ぶり4度目の優勝を果たした。

 鮮やかな復活劇だった。1カ月前の全仏。ジョコビッチは準々決勝で、4大大会で1勝も挙げていなかった伏兵チェッキナート(イタリア)に1-3で敗れた。試合中には首、右足の治療を受けるなど、体調面の不安を露呈。試合直後はウィンブルドンについて「全く分からない」と欠場すら示唆していた。どん底からわずか1カ月で、心身ともに立て直し、3年ぶりの頂点に立った。

 4大大会通算13度目の優勝は、歴代単独4番目の多さとなった。最新世界ランキングでは10位となり、17年10月30日の週以来、トップ10に復帰する。昨年は右肘痛などケガに苦しみ、世界ランクも落としたが、今大会は錦織圭戦も含め、圧倒的な強さを見せた。「ジョコビッチ時代」はしばらく続きそうだ。