男子シングルスの桃田賢斗(23=NTT東日本)が、21-12、21-12でプラネス(インド)を下し、15年の銅メダル以来3年ぶりのメダル獲得を決めた。3位決定戦がないため、4強で銅メダル以上が確定する。

 ファイナルゲームまでもつれて苦戦した前日とは一転、終始リードしての圧勝だった。「きのうは少し油断してしまって序盤にペースをにぎられた。きょうは足を動かして、主導権を握っていこうと思った」と会心の出来を振り返った。

 思い通りに試合を動かした。桃田が得意とするネット際のヘアピンショットを警戒する相手を「後ろにおっつけるショットが今日はよかった」。プレッシャーをかけ、後退させ、そこにスマッシュを打ち込んだ。

 3年前の自分に並ぶ4強。でも、その時よりはるかに強さは増している。高い技術に加わったのはスタミナだ。違法賭博の処分で1年間実戦から離れた時期、桃田は毎日欠かさず走った。体重を72キロから68キロまで絞り、17年5月に復帰した時には、前よりキレのある動きをみせた。

 復帰から1年がたった今もランニングは欠かさない。今は「相手がスピードあげてきたなと思ったら、スピードをあげられる。相手を疲れさせたいと思ったときに自分からペースをあげられる。自分の今の強み」と話す。

 以前は、天才的な技術に頼り、「だめだったら簡単にやられていた」。でも今は足を使って立て直し、相手が嫌がるまでラリー勝負に持ち込むこともできる。今年に入り、リオ五輪金メダリスト■龍(中国)や昨年世界王者のアクセルセン(デンマーク)らを次々撃破し、今大会は優勝候補の筆頭だ。

 桃田にとっては、結果を出すことがつらい時期に支えてくれた周囲の人たちへの感謝の表現だ。「自分の気持ち的には優勝したいんですけど、まずはあした1球1球、感謝の気持ちを忘れず、楽しみながらプレーしたいと思います」。一球を懸命に追う必死のプレーで、初の決勝進出を目指す。

※■は言ベンに甚