女子でショートプログラム(SP)5位の紀平梨花(16=関大KFSC)がフリー1位の154・72点を記録し、今季世界2位の合計224・31点で日本勢初のGPデビュー戦優勝を飾った。トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を2本成功させ、第6戦フランス杯(23~25日、グルノーブル)でGPファイナル(12月、カナダ・バンクーバー)進出を目指す。

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紀平選手のトリプルアクセルは迷いのない素晴らしいジャンプでした。SPでは跳ぶタイミングが早くなり転倒しましたが、それを気持ちも体もしっかり修正できていました。決めた2本のGOE(出来栄え点)は、連続技が2・63点、単発が3・09点。いずれも最高評価の+5を付けたジャッジもいるほど、高い評価を受けました。

彼女のトリプルアクセルは、助走から左足で踏み切りまでが無駄な力みがなく、非常にコンパクトです。しっかり跳び上がって上で回転し、ランディング後を含め、きれいな軌道を描くジャンプです。今季からの新ルールではGOEの幅が広がり、ジャンプも質が重視されるようになりました。その質への評価がこの高い得点につながっています。演技構成点に目を向ければ、まだまだ伸びしろがあります。この得点もまだ更新できるのではないでしょうか。(カルガリー・オリンピック代表八木沼純子)