トランポリンの世界選手権(ロシア・サンクトペテルブルク)の非五輪種目シンクロナイズドで、全種目を通じて日本女子初の金メダルを獲得した森ひかる(19=金沢学院ク)宇山芽紅(22=スポーツクラブ テン・フォーティー)組が12日、金メダルを手に笑顔で成田空港に帰国した。

森は「たくさんの人におめでとうと言ってもらって、世界一になった実感がわいてきました」と笑顔。宇山は「予選1位通過のプレッシャーを乗り越えて世界一に慣れてうれしい」と喜びをかみしめた。

森は昨年の世界選手権、高木裕美とペアを組んだシンクロナイズドで日本女子初のメダルとなる銀メダルを獲得した。しかし、高木が今年8月の前橋でのワールドカップの事前合宿で右足首の靱帯(じんたい)を2本断裂。高木も回復に努めたものの本来の跳躍力が戻りきらず、森のペアが宇山に決まったのは大会約2週間前の10月下旬だった。「今まで(宇山とは)組んだことがなくて試合もどういう状況になるか不安なまま世界選手権の事前合宿を終えた。個人の練習をやった後にシンクロナイズドの練習だったので、合わせるのは5回もないままでした」と森。宇山も「急きょ組んで、でも必ずメダルを取らないといけないと思った。自分の演技に森が合わせてくれると信じ合って演技ができた」と振り返った。

2人は今後、東京五輪に向けての枠取りもかかる、2月のワールドカップに向けて調整する。五輪種目の個人で今大会5位となった森は「大舞台でもしっかり戦えたことで、自分の演技でメダル争いができるところに1歩近づいた」と自信もつけた。「今は1回宙返りを入れているけれど、2回にしないと勝てないし通用しないと思う。少し時間があるので良いものを作りたい」。同種目8位となった宇山は「まずは日本ランキングに関係のない12月の川崎ジャパンオープンに出て、来年に向けて新しい構成を試したい」とそれぞれ目標を設定した。金メダルの自信を胸に、東京五輪に向けて前進する。