20年東京オリンピック(五輪)の体操競技で日本の「セノー」などの器具の使用が内定したことが12日、分かった。3日閉幕の世界選手権(ドーハ)で反発の少ない中国製の器具に苦しめられた日本にとっては朗報。国際体操連盟(FIG)からの中国製との2案から、同大会組織委員会が5日までに「総合的に判断して」決めた。

体操選手にとって、器具の問題は大きい。この日、都内で練習を公開した男子のエース内村航平は「跳馬は力が吸収される。床は跳ね返りが遅い。特に体重の軽い日本選手にとっては厳しい」と世界選手権を振り返った。男子床運動で3連覇を目指した白井健三は、難度を落とす苦渋の選択をして銀メダル止まり。団体も銅メダルだった。仮に中国製の器具が使われれば、東京五輪で「逆風」になる可能性は十分あった。

「セノー」とともに器具を提供するのは、日本が好成績をあげた16年リオ五輪や17年世界選手権で使われた「ジムノバ」を傘下に持つ「アベオ」(フランス)と「ユーロトランプ」(ドイツ)。3社が体操、トランポリン、新体操をカバーする。組織委員会は年内にも3社の協同事業体と正式契約する見込み。器具の不安が消え、日本の金メダルラッシュが見えてきた。