世界選手権王者で世界ランキング1位の桃田賢斗(24=NTT東日本)が2-1で西本拳太(トナミ運輸)を下し、3年ぶり2度目の頂点に立った。

前日の準決勝は相手の棄権により不戦勝。「試合をしておきたかった」と語った桃田だったが、1ゲーム目から強烈なスマッシュ、ネット際のヘアピン、すべてが一級品のプレーに会場が「おぉ」と沸いた。第1ゲームは21-9で先取も、第2ゲームは競り合った末、18-21。「相手の動きがよく見えた」という第3ゲームでは序盤で流れを引き寄せ、21-11で勝利。同じA代表で同級生の西本に力の差をみせつけた。今年は勝利の瞬間にガッツポーズをして、いつものように観客に一礼を行った。

賭博問題による処分が解けて2年ぶりに出場した昨年大会は、力を出し切れずに8強止まり。声を出すだけでガッツポーズもせずに準々決勝で敗れた。それでも日本協会の推薦で日本代表に復帰。国際大会で昨年世界選手権王者アクセルセンや、バドミントン界のレジェンド、リー・チョンウェイらを次々と撃破。昨年の282位からスタートした世界ランクを1位まで上げ、世界選手権でも日本男子初の優勝を果たした。

久しぶりに手にした日本で最も権威あるタイトルを手に、世界トップ6人で争うワールド・ツアーファイナル(12日開幕、中国・広州)で再び力を示す。