新潟アルビレックスBBの3連勝はならなかった。得点が誤表示のまま試合が進行する不運にも見舞われ、アルバルク東京に83-86の惜敗だった。第4クオーター(Q)途中からA東京の得点が1点多く表示された状況が続く中、残り1分47秒で83-82と一時逆転。ただ試合後に訂正された本来のスコアならば、この時点で83-81と2点リードだった。この後、A東京に連続5得点を許した。A東京戦の連勝も4でストップしたが、第3Q終了時で11点のビハインドをはね返すなど、昨季王者と同等の力を見せつけた。

惜敗の悔しさが一段と募る事実だった。試合後、得点の誤表示を、庄司和広監督(44)が小菅学社長(45)に伝達。小菅社長はリーグに確認を求める連絡をした。試合終了時、場内に表示されたスコアは83-87。その後、公式記録が83-86に訂正された。

1点の違いが勝敗を左右しかねない展開だった。第4Q残り5分49秒、71-74で新潟が3点リードされた場面、A東京のCアレックス・カーク(27)がシュートを決める。審判は2点のジャッジ。ただ、71-76になるべきスコアはA東京に3点が加わり、71-77と場内に表示され、試合はそのまま進んだ。

新潟は追い上げた。残り1分47秒、PG柏木真介(36)の3点シュートが決まって“83-82”。その後に再逆転され、残り33秒で“83-85”。新潟はここで最後のタイムアウト。スコアの訂正があれば本来は83-84の状況だった。両チームとも5ファウル。誰を使うか、どこを攻めるか。点差1点と2点では作戦の選択肢も大きく変わってくる。新潟はPFラモント・ハミルトン(34)のインサイドアタックにかけたが得点できず、スコアは伸びなかった。

「こちらも確認をしなかった。負けた事実は変わらない」。庄司監督は潔く結果を受け入れた。ターンオーバーは12個と6個のA東京の倍のミスをした。相手に9本のオフェンスリバウンドを許した。チームの課題を消化できない内容だった。

一方で、第3Q終了時に56-67と11点リードされた状況から逆転したことも確かだ。第4Qに2本の3点シュートを決めたSF池田雄一(35)は「うまくオフェンスをコントロールできた」、PG五十嵐圭(38)も「自分たちのバスケをすれば、11点差を返せる力があることは示せた」。昨季王者相手に敗れはしたが、不運をかき消すチーム力に手応えが残った。【斎藤慎一郎】

◆経過 第4Qの残り5分49秒、新潟が71-74とリードされたところで、A東京のカークがロングシュートを決めた。審判は2点のコールをしたが、スコアボードは77と表示された。その後、訂正、両チームからの確認はなく試合は進行し、新潟の83-87で終了。試合後、A東京のスコアが公式記録で87から86に訂正された。