日本山岳・スポーツクライミング協会は12日、都内で18年の年間表彰式を行い、スポーツクライミング部門の優秀選手、ユースオリンピック(五輪)男子複合金メダルの土肥圭太(18=神奈川・平塚中等教育学校)らを選出し、表彰した。

土肥は集まった関係者を前に「今年の世界選手権、五輪に向かって頑張ります」と元気よくあいさつ。スポーツクライミング競技が初めて行われた10月のユース五輪を通し「他競技の選手との交流が勉強になった」と振り返った。

土肥は卓球の張本智和(15=エリートアカデミー)らと同じ8人部屋で過ごした。「お互いの競技のルールとか、どのくらい練習しているのかとかを、話しました」。張本が個人戦の決勝で負けた相手に、団体戦ではリベンジした様子を間近で見聞きし「張本くんの勝ちにこだわる姿勢がすごいと思った。調子が悪くても勝つイメージを大事にしているし、負けた相手でも次すぐに気持ちを切り替えていた。僕だったらすぐに切り替えるのは厳しいかなと思ったし、張本くんはメンタルが強いなと思いました」。

スポーツクライミングでは黙々と1人、壁と向き合って練習する。他競技からの刺激は新鮮なものになる。今でもナショナルトレーニングセンターなどで会った際にはともに食事するなど、交流を深めているという。

今季の目標には東京五輪の出場権も懸かる8月の世界選手権(東京)への出場を掲げる。単種目よりも3種目の複合に一番力を入れているとも言い「複合で決勝に残りたい」と意欲を見せた。

同じ優秀選手には、世界選手権ボルダリング女子銀メダルの野口啓代(29=TEAM au)、同ボルダリング金メダルの原田海(19=日新火災)、世界ユース選手権ボルダリング、リード金メダルの谷井菜月(15=奈良・光陽中)も選出された。野口は海外で代表合宿中、原田は体調不良のため欠席した。【戸田月菜】