バスケットボール男子の日本が、20年東京オリンピック(五輪)出場へ大前進した。今夏に中国で開催されるワールドカップ(W杯)のアジア2次予選でイランに97-89で勝ち、7連勝でF組2位に浮上した。98年、ギリシャで行われた前身の世界選手権以来、21年ぶりの自力出場に王手。代表強化への取り組みなどを理由に、東京五輪開催国枠の付与を見送られてきたが、W杯出場は最高のアピール材料。3月にも、開催国枠で76年モントリオール五輪以来、44年ぶりの五輪出場が実現する可能性が高い。日本バスケ史上最強の呼び声高い「ドリームチーム」でW杯と東京五輪に臨むことになりそうだ。

<経緯>

日本はまだ、男女ともに東京五輪の開催国枠を与えられていない。日本バスケットボール界は、05年からプロのbjリーグと実業団の日本リーグ(のちにNBL)と2リーグが並立する異常事態。FIBAはこれを問題視し、勧告を受けた日本協会は08年にトップリーグ検討委員会を設置。しかし両リーグの溝は埋まらず、FIBAのバウマン事務総長(当時)が13年12月に緊急来日。「このままでは、開催国として出場させるか検討しなければならない」と警告した。

状況が好転せず、14年11月26日、国際大会参加を禁止する資格停止処分などの制裁を受ける。その後日本協会は、タスクフォースのチェアマンに就任した川淵三郎氏を中心に、協会を強化、新リーグ新設への動きを加速させた。リオデジャネイロ五輪アジア予選が迫った15年8月に取り組みが評価されて制裁は解除。女子はリオ五輪8強入りした。そして16年にBリーグが開幕。18年末に来日したFIBA中央理事会メンバーのワイス氏は改革を好評価。「3月の中央理事会で日本が出場できることを視野に入れている」とコメントした。