世界7位の錦織圭(29=日清食品)が辛勝だ。同52位のマナリノ(フランス)に6-4、4-6、7-6の2時間33分で、フルセットで何とか勝ち上がった。「大事なポイントを取りきれなかった。タイブレークはいいプレーができた」。錦織は、最終セット5-6で、相手のサーブというピンチを迎えた。しかし、その相手のサービスゲームを破り返すと、タイブレークを制し3回戦進出を決めた。

錦織が助かった。最終セット、第3ゲーム、第11ゲームで先にサービスゲームを落とした。しかし、その度に、相手のダブルフォールトに助けられ、追いついた。特に、5-6での第12ゲームは相手のサービスゲーム。キープされれば負けという絶体絶命のピンチもしのぎ、タイブレークは2オールから4ポイントを連取。そのまま逃げ切った。

遅いコートと、苦手な球の種類で、この大会は、なかなか活躍できない。8回出場して、ベスト8に入ったのは16、17年の2度だけ。昨年は、体調不良で欠場し、今年は2年ぶりの出場だった。苦手な環境になれるため、今年は、マスターズ大会として12年ロジャーズ杯以来約6年半ぶりにダブルスにも出場。少しでも苦手を克服しようと試合数をこなした。

昨年の欠場で、今年は失効する世界ランキングのポイントがないため、勝てば勝つほど、同ポイントが上乗せされる。他の選手の結果にもよるが、優勝すれば、自身がマークしたアジア男子最高位の4位に自力で復帰できる。