世界選手権初優勝を目指す宇野昌磨(21=トヨタ自動車)のSPは91・40点で6位だった。

2月の4大陸選手権で優勝して、「シルバーコレクター」を返上。喜ぶ周囲の姿を見て、勝つことに対する意識が変わってきた。羽生、田中と並んだ今大会前の公式会見では「調整も順調に、この試合は初めて、結果を求めて挑みたいなと思っています」と言った。

羽生とは18年2月の平昌五輪以来となる“競演”。「試合で僕は自分が満足できたらいい、結果を気にせず、をモットーにやってきたんですけど…」と、これまでと違う勝負重視の言葉を発しようとした時に「すごい視線が…」。しゃべっている宇野を見つめる隣の羽生をちらりと見て、顔を赤くした。その上でこう続けた。「この試合で結果を求めることが緊張につながるか、分かりませんけど、それが僕にとって貴重な経験になることは間違いないかなと思っています」。

この日の公式練習では曲をかけての練習で、4回転フリップに成功。30分間の練習時間だったが、12分間で切り上げた。短い時間で集中して最終調整した。フリーは世界歴代最高の197・36点をマークしている。過去の世界選手権は2年連続で銀メダル。勝負にこだわって、頂点を狙う。