世界1位の大坂なおみ(21=日清食品)が、左腹筋痛のためにシングルス準決勝を棄権した。26日の準々決勝は大逆転で同25位のドナ・ベキッチ(クロアチア)を下し、赤土のツアー大会で初の4強入りを果たした。本人も手応えをつかんでいたが、思わぬアクシデントに見舞われた。次戦5月のマドリード・オープンには出場する意向を示した。

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大坂は棄権発表の記者会見で「初戦から痛みがあった。今朝起きるとひどくなっていた」と説明した。前日の準々決勝はベキッチ(クロアチア)に6-3、4-6、7-6で勝ち「クレーコートの練習をたくさん積んできた。その成果が出て、とてもうれしい」と喜んでいた。

苦手な赤土のツアー大会で初の4強入り。得意なハードコートとは球の弾み方が異なるが、準々決勝までは力強いサーブやフォアを打ち抜くプレースタイルに迷いは感じられなかった。3月のマイアミ・オープン3回戦で敗れてから約1カ月、赤土対策に励んだことが結実した。

世界ランク1位に就いてからの3大会はベスト16が最高だった。重圧を感じてもがいているとの周囲の指摘に対し「そうやってよく言われるけど、でも私は今季、全豪オープンで優勝している。決して苦しんでいるとは思わない」と前向きな姿勢を失っていない。

4大大会第2戦の全仏オープン(5月26日開幕・パリ)を見据えた今季最初のクレーコートの大会。第1シードで臨んだ初戦の2回戦で世界ランク24位の謝淑薇(台湾)、準々決勝でベキッチを下し、準決勝で第8シードのアネット・コンタベイト(エストニア)と対戦予定だった。手応えを感じていた赤土のシーズン初戦は思わぬ形で終わりを迎えたが「落ち込んではいない」と気丈に話した。

世界2位のシモナ・ハレプ(ルーマニア)が欠場したこともあり、大会後発表の世界ランクで1位をキープすることが既に決まっている。大坂は「今のところ予定を変えるつもりはない」と話し、5月のマドリード・オープンに出場する意向を示した。