Bリーグの18-19年シーズンはアルバルク東京の2連覇で幕を閉じた。新潟アルビレックスBBはそのA東京にチャンピオンシップ(CS)・クオーターファイナル(準々決勝)で敗れてシーズンを終えたが、目標だった初のCS進出を果たし、中地区初優勝もものにした。

チームを率い3シーズン目の庄司和広監督(45)が飛躍した今季を振り返った。インタビューを2回にわたり掲載する。【聞き手=斎藤慎一郎】

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「一段落した感じはしますが、やはり悔しさが残ります」。45勝15敗と、千葉ジェッツ、栃木ブレックスに次ぐリーグ3位の高勝率で中地区優勝、初のCS進出。チームの目標は達成した。それでも庄司監督の胸中にあるのは「もっとやれたし、成長させてやれた」という思いだった。

-今季を振り返って

庄司監督 チームの持って行き方としては間違っていなかったと思います。いいとき悪いときもあった中、ぶれずにやって来られたのはスタッフや会社、そして選手がチームファーストで戦ってくれたおかげです。

-目標だったCSだけでなく、中地区王者というタイトルも手にした

庄司 CS進出も、地区優勝もうれしいです。ただ、CSのA東京戦にフォーカスしてみると、何とかなったんじゃないか、と。何をやっても(CSで)優勝しない限りは反省しかないのかな、と思いました。

-今季は1試合平均失点は73・3点。昨季の同81・4点から大きく改善された

庄司 正しいこと、正しいポジショニング、チームがやろうとしていることを選手が遂行してくれました。守備の土台は昨季までと変わっていないけど、1人が1つ以上の仕事をするようになった。ほかのケアをしながら自分のマークマンを守るなど。各自やろうと取り組んでくれました。

-失点が減ったことで、ゲームプランも立てやすくなった

庄司 そうですね。ただ、いらない失点がなくなっただけでもあるんです。勝負どころのリバウンド、ルーズボールなど成績に残らない部分でもっと頑張らないと上位に勝つのは難しい。攻撃でも守備でも選手のバランスが大切です。

-リードされても慌てず、勝負どころでしっかり主導権をものにする試合ができていたのでは

庄司 我慢を覚えたことが大きいです。丁寧に正確にプレーをするようになってきたことが試合ぶりに出てきたと思います。

-Bリーグ発足とともにチームを率いて3シーズン、チームの成長は

庄司 1年目からいる五十嵐(圭)、(ダバンテ)ガードナー、池田(雄一)の3人が幹になってくれました。五十嵐とガードナーはリーグ屈指のデュオ。そこを軸にチームを作ってきた中で、2人が周囲に光りを当て、当てられた選手がしっかりプレーをしてくれるようになりましたね。

(つづく)

◆庄司和広(しょうじ・かずひろ)1974年(昭49)4月26日生まれ、埼玉県出身。北陸高から拓大に進み、卒業後は住友金属、トヨタ自動車、大和証券でプレー。96、01年に日本代表入りした。00年新潟入りし01年から主将。12-13年に秋田で現役を引退し、13-14、14-15年は新潟のアシスタントコーチを務めた。15年10月から16年5月まで高松のアシスタントコーチ。16年6月に新潟監督に就任。