柔道のグランプリ・フフホト大会(中国)で優勝した女子52キロ級世界女王の阿部詩(18=日体大)が27日、成田空港に帰国した。

冬場に左肩を負傷し、昨年11月のグランドスラム・大阪大会以来の実戦となったが、初戦の2回戦から4試合をオール一本勝ち。左肩は完治しておらず、「8~9割の状態」と不安が残る中で勝ちきった。「やるべきことをやれば、けがをしていても大丈夫。最初は怖さもあったけど自信につながった」と振り返った。

2連覇を狙う世界選手権(8月25日開幕、日本武道館)に向け、得意の担ぎ技の強化を図る方針だ。今大会は万全でない中での戦い方を学び、「投げきる練習をしないと試合で出ないことが分かった。残り3カ月は投げきることを一番の課題に置いて追い込みたい」と気を引き締めた。

女子代表の増地克之監督は「けがも悪化せず、良い内容だった。現状の力を出し切れたのではないかと思う。世界選手権に向けて弾みもついたと思う」と話した。