ノルウェー勢が東京オリンピック(五輪)の「前哨戦」で強さを見せた。カスペル・ストールネス(22)が2位に入り、グスタブ・イデン(23)はリオ五輪でワンツーフィニッシュしたブラウンリー兄弟(英国)の弟ジョナサンとの競り合いを制して4位。リオ五輪代表のクリスティアン・ブルンメンフェルト(25)は棄権したが、暑さの中での活躍が光った。

日本トライアスロン連合の中山俊行五輪対策チームリーダーは「ノルウェーが強い。しっかり準備していましたね」と話した。7月のフランス合宿、今大会前までの甲府合宿で合同練習し、徹底した暑さ対策にも驚いた。「あらゆるデータをとり、水分補給も細かく管理する。暑さに強い理由が分かった」と話した。

昨年の世界シリーズ・バミューダ大会では、表彰台を独占。男子では初の快挙を果たすなど、今や「トライアスロン王国」と言っていい。オーストラリアや英国などの強国が暑さに苦しむ中で結果を残した。これまで五輪トライアスロンでメダルを獲得したことはなかったが、一気に「表彰台独占」まで見えてくる。

7月にお台場で行われたワールドツアー東京大会で優勝するなど、最近は「ビーチバレー大国」としても有名。多くの選手が暑さに苦しむ中で「前哨戦」で実力を見せつけ、こちらも東京大会での同競技五輪初メダル獲得が見えている。

スキー、スケートなど冬季大会の強豪国として知られる。冬季五輪の金メダル132個は世界一だが、夏季大会は56個で21位。リオ五輪では金メダル0に終わっただけに、東京大会での巻き返しに同国スポーツ界は本気になる。「ノルウェーはすごいですよ。来年も来ますよ」。中山チームリーダーは言った。来夏、バイキングの子孫たちが、暑さを味方にお台場のビーチを席巻する。