男子81キロ級で、18年世界選手権銀メダルの藤原崇太郎(21=日体大)が初戦の2回戦で敗退した。世界ランキング32位のウズベキスタン選手に終了間際、大内刈りで技ありを奪われた。

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2大会連続のメダル獲得はならなかった。前回大会銀メダルの藤原は、格下の世界ランク32位のウズベキスタン選手に指導2を誘うなど試合を優位に進めていたが、終盤に一瞬の隙を狙われた。残り9秒。密着戦を得意とし、不用意に接近したところを大内刈りで技ありを奪われ、優勢負け。藤原は「悔しいの一言。相手の圧を感じていたが、もっと安全にいけば良かった。最後に自分の甘さが出た」と唇をかんだ。

「練習の虫」だ。175センチ、81キロと同階級では小柄だが、中学時代から海外の強豪と闘うために猛稽古に励んだ。部活後も自宅車庫でロープ登りを反復し、出稽古で大人の胸を借りた。中学、高校時代には日本一になり、その頃から憧れていたオリンピック(五輪)3連覇の野村忠宏氏の背中を追う。

今大会は、前回大会決勝で敗れたモエライ(イラン)を倒して、20年東京五輪の猛アピールにつなげたかった。過去1勝2敗の世界王者との再戦もかなわず、2度目の挑戦はあっけなく終わった。「世界の舞台で勝つのは難しい。終わったことは仕方ないが、この負けを無駄にしないよう強くなりたい」。1年後の夢舞台に立つために、必死に気持ちを切り替えた。【峯岸佑樹】