08年北京、16年リオデジャネイロ五輪柔道女子52キロ級銅メダルの中村美里(30=三井住友海上)が1日、世界選手権女子78キロ超級を初制覇した素根輝(そね・あきら、19=環太平洋大)を祝福した。

男女混合団体戦が行われている東京・日本武道館に来場。中村は、前日8月31日に実施された素根の試合を生観戦して「(162センチの)小さい体をいかした技やスピード、攻めどころなどの見極めがうまい。組み手の徹底、担ぎや前後の技もあって海外選手からしたらやりにくいはず。代表2番手の立場でありながら、やるべきことを黙々とやってきたんだなと思った。(20年東京五輪に向けて)とても良い流れ」と感心した。

小1で柔道を始めた素根は、その頃から中村のことを尊敬している。「小さい体で大きい相手に立ち向かう姿勢が好き」と言い、4月の体重無差別で争う全日本選手権で“共演”した時は、最年長・最軽量で初挑戦した中村の姿をずっと目に焼き付けていた。

中村は19歳の時、北京五輪で銅メダルを獲得し、20歳で世界選手権を制した。一方で、素根は19歳で世界女王となり、順当に進めば20歳で東京五輪を迎える。世界選手権を3度制し、五輪3大会に出場するなど世界と戦ってきた柔道界の先輩は「素根さんがこれだけ強くなって、重量級選手でありながら自分のような軽量級選手のことを『憧れ』と言ってもらえるのは素直にうれしい。このまま強い気持ちを持って戦い続けてほしい」と、さらなる飛躍を期待した。