2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会は12日、メダリストに授与する副賞のビクトリーブーケのデザインを発表した。

ブーケは明るい色を基調としたもの。復興の進展を表すシンボルにと、東日本大震災の被災県で育てられた花を中心に使用する。

五輪のブーケには福島県産トルコギキョウ、宮城県産ヒマワリ、岩手県産リンドウ、福島県産ナルコラン、東京都産ハランを、パラリンピックのブーケには福島県産トルコギキョウ、宮城県産バラ、岩手県産リンドウ、東京都産ハランをそれぞれ使用する予定。

ビクトリーブーケには、メダリストが記念に持ち帰れるようにと、五輪マスコット「ミライトワ」、パラリンピックマスコット「ソメイティ」のぬいぐるみをそれぞれ取り付けたデザインとなる。ぬいぐるみの顔を縁取る色は通常、青やピンクだが、メダルの色にすることを検討している。

日本花き振興協議会会長の磯村信夫氏は花の選定やデザインについて「世界の方が見るので、元気になるような、ハッピーなものでないといけない。世界に誇る日本の花を選びました」と説明した。

組織委によると、リオ、平昌(ピョンチャン)と過去2大会では花の調達の問題から、ビクトリーブーケはメダリストに贈呈されなかった。3大会ぶりの“復活”となる。

組織委の布村幸彦副事務総長はビクトリーブーケ復活について「開催都市契約に入っていたもの」とした上で「日本の花文化は長い歴史がある。日本のスポーツ大会でもビクトリーブーケの贈呈が基本的に定着している」と説明。さらに、東日本大震災の被災県産の花を主に使用することについて「復興の進展や感謝の気持ちを伝えるブーケとして、選手に差し上げることができる」とした。

ビクトリーブーケはメダルと同じ数となる五輪・パラ合計約5000個が用意される予定。