ショートプログラム(SP)4位発進の宇野昌磨(21=トヨタ自動車)がフリー164・95点を記録し、合計252・24点で4位となった。SP首位のサマリン(ロシア)が264・45点で優勝。演技を終えた宇野は前向きに振り返った。

「いい成績を残すことはできなかったけど、シーズン後半に向けて間に合わせようと思っている。しっかりと戻ってこられるようにしたい」

周囲も驚く、リカバリーへの意欲だった。冒頭の4回転サルコーで転倒。続いて2つ目の4回転トーループに向かったが、踏み切る直前に跳ぶことをやめた。以降はジャンプをまとめ、迎えた最終盤。本来は終えているはずの4回転トーループへ挑んだ。転倒したものの、リンクサイドで見守ったステファン・ランビエル・コーチからも「グッドファイト!」とねぎらわれた。

SPでは冒頭の4回転フリップで転倒したが、4回転-2回転の連続トーループを着氷させ、トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)も成功。演技後は「めちゃめちゃほっとした。4回転フリップで失敗しても切り替えられて良かった。(前戦のフランス杯が)どん底だったので、ましではあった」と正直な感想を口にしていた。

今季はメインコーチ不在。それでも今大会に付き添う元世界王者のランビエル・コーチとSP同様に得点発表を待つ「キス・アンド・クライ」に座り、柔和な表情を見せた。