平昌五輪(ピョンチャンオリンピック)金メダリストのアリーナ・ザギトワ(17=ロシア)がほぼ完璧な演技を披露し、フリー3位の151・15点、合計217・99点で3位には入り、3年連続のGPファイナル(12月、イタリア・トリノ)進出を決めた。

前日のショートプログラム(SP)ではジャンプのミスが響き、4位にとどまっていた。「満足しています。ショートで納得いっていなかったので、フリーにうまくつなぐことができて、とても良かったです」と安堵(あんど)した。

冒頭の3回転ルッツ-3回転ループで2・02点の加点を引き出すと、次々にジャンプを決めた。演技構成点では5項目全て9点台に乗せる完成度の高い滑りで巻き返した。「もちろんショートが終わった後は落ち込みましたが、コーチのみなさんが温かい言葉をかけてくれた。気持ちを落ち着かせて今日に臨めて、1つのエレメンツからエレメンツへと取り組めたと思います」と感謝した。

この日の朝、一匹の柴犬に癒やされる時間もあった。会場からウオームアップ場へ向かう途中で、散歩中の犬を発見。思わず近寄ってなでた。試合後に名前が「くるみ」と聞くと、「かわいかったですね」と柔らかに笑った。平昌での金メダルのご褒美に秋田犬を贈られ、「マサル」と名付けているほどの犬好き。フリーへ向かう心を和らげただろう。

今大会で優勝したコストルナヤ(16)など、同門の若手3人が女子界を席巻する。「ファイナルでは昨年の演技をしても優勝には届かないぐらいすごく難しい」と自覚しながらも、下を向くことはない。「それでも今回自分の演技に満足せず、1位を狙っていきたいと強く思った」と言葉に力を込めた。