Aシード御所実(奈良)のプロップ島田彪雅(ひゅうが、3年)が足で魅了した。14点リードの前半10分、ボールを受けた175センチ、108キロは防御ライン裏へのキックを選択。大外にいたWTB須股のトライを演出し「プロップでもそういうこと(キック)ができると見せたい」と笑った。

仲間から「彪雅くん」と呼ばれる兄貴分は19歳。16年春に東海大大阪仰星へ入学したが雰囲気になじめず、翌年1月に学校をやめた。中学時代の友人に誘われ、御所実に1年遅れで入学。以降も約1カ月間は学校を休みがちだった。それでも「おいで」と声をかけ続けてくれた竹田監督へ「日本一になって胴上げするのが目標」と恩返しを誓う。

来春にパナソニックへ入団。高卒のトップリーグ入りは異例だが、東福岡からパナソニック入りしたNO8福井翔大(20)の背中を追う。「どこに勝ちたいとかではなくて、日本一を取りたい」。年下の仲間と花園で暴れ回る。【松本航】