Bリーグの大河正明チェアマン(61)は10日、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で中断中のリーグ戦について、14日以降に無観客試合で再開するか、もしくは中止とするか、いずれかになるとの見通しを明らかにした。11日に最終決定する。

大河チェアマンは「(すでに無観客で実施中の)大相撲やプロ野球のオープン戦で、ファンや国民がスポーツで元気になっているかがポイント」とし、無観客試合での再開に前向きな姿勢を示唆。観衆不在での試合で「選手たちがどこまでファイトしてくれるか」と懸念を示しつつも、有料テレビ放送やウェブ中継で試合を見守るファンの存在を挙げ、「お客さんがプレーを見たいと分かってくれれば、それなりのファイトはしてくれる」と期待した。

元銀行マンの大河氏は、今後の経済の見通しについて「リーマンショック以上かもしれない」と捉える。消費の急激な落ち込みや、株価のさらなる暴落などの「悪いシナリオ」を考慮し、現在のスポンサーが来季も継続してつくかなど、「心配はたくさんある」と述べた。

無観客試合となった場合でも放送権料は確保できるが、最大の懸案事項となるのがスポンサー収入だ。多くの契約書に記載されている不可抗力条項の存在を挙げ、「不可抗力で(集客試合を)できない場合にはスポンサー料はいただけるが、自主判断でやめた場合はもらえないというのが一般的」と説明。そのうえで、「政府からの要請が、不可抗力にあたるかどうかわからない。(主催者が)自主的に考えてくださいと言われるのが一番困る」と訴えた。

2月にシーズン延期を発表した際、5月まで試合を行えなかった場合にはクラブ全体の損失が60億円になるとの試算を明かしていた大河氏。無観客試合で再開される場合の損失額は、不可抗力条項の解釈によって大きく左右されるそうで、「20億かもしれないし、50億ぐらいになるかもしれない。ちょっと分からない」。いずれにせよ、大きな打撃を受けることは避けられない状況だ。

なお、この日行われた理事会で、今季のポストシーズンの形式変更が決定した。B1優勝を決めるチャンピオンシップは従来通り8チームによって争われるものの、準々決勝と準決勝は2戦先勝方式から1試合制へと短縮。決勝は5月11日に月曜ナイターとして横浜アリーナで行われる。