各競技のトップアスリートらが30日夜、新型コロナウイルス感染拡大の影響で進路先へのアピールの場を失った高校3年生を支援する「#スポーツを止めるな2020」トークイベントを開催した。

オンライン形式で実施され、ラグビー元日本代表主将の広瀬俊朗氏(38)や16年リオデジャネイロ五輪柔道男子100キロ級銅メダルの羽賀龍之介(29)、元バレーボール女子代表の大山加奈さん(35)ら計11人が出演。

「スポーツの未来のために」をテーマに、全国高校総合体育大会(インターハイ)などの中止により進路に悩む高校3年生を支援する取り組みに関して、1時間40分議論した。

この取り組みの発案者は、ラグビー協会で若手選手の発掘や育成に携わる野沢武史氏。今春の全国高校選抜大会の中止などで、選手情報が不足している大学スカウトから相談を受け、企画した。

選手がプレー動画とともに「#ラグビーを止めるな2020」を付けてSNSに投稿し、それを大学関係者らが閲覧する仕組みだ。今月中旬頃から始まり、実戦機会をなくした選手たちは絶好のアピールの場となり、「#バスケを止めるな」「#バレーボールを止めるな」など他競技にも広がった。

広瀬氏は「アピールの場を失い、モチベーションが下がる高校3年生をどうにかしたい。スポーツの価値を広げるためにも、今こそ競技の枠を超えてアクションを起こすことが大事だと思う。そのためにも、もっとロールモデルが必要」と指摘。

一方、大山さんは「バレー界はいまだにSNSに対しての抵抗があり、禁止のチームも多い。この取り組みをきっかけに、自身のプレー動画をアップして、自分の魅力に気付いてもらいたい」。

羽賀は「自分自身の未来を切り開くためにも、自分で出来ることを考えて行動することが重要。情報発信して評価してもらうことは必要だと思う」と、賛同の輪の広がりを期待した。