ハンドボール男子日本リーグに今季新加盟するジークスター東京が28日、8月29日のリーグ開幕を前に記者会見した。創立3年目ながら日本代表3選手が移籍加入。横地康介監督(41)は「1年目からプレーオフ(リーグ上位4チーム)進出を目指す」と話した。

「東京から日本リーグのチームを」を合言葉に、18年4月に前身となる東京トライスターズ創設。今季からチーム名を変更して再出発した。コロナ禍で本格的な始動は6月になったが、そこに大崎から移籍したCP信太弘樹(31)CP東長浜秀希(32)、トヨタ車体からGK甲斐昭人(33)が加入。日本代表でも主力として活躍する3人の加入で一気に注目された。

日本代表で主将も務めた信太は「新しい挑戦がしたかった。今は開幕が楽しみでしかない」と話し、東長浜も「東京からハンドボールに新しい風を吹き込むと聞いて、一緒に戦いたいと思った」と移籍の理由を説明した。東京五輪の1年延期も、この時期での決断を後押しした。

18年にトライアウトで参戦し、今季から主将を務める森下将史(24)は「憧れの選手ですから、最初は驚きました」と超大物の加入に戸惑ったことを明かしたが「すぐにチームに溶け込んだ。何でも聞くし、教えてもらえる。チームにとって、いい刺激です」と日本代表効果を口にした。

同じグループ会社にプロ野球ソフトバンクなどにデータ提供するライブリッツ社があり「ITとスポーツの融合」も目指す。リアルタイムでデータ分析し、ベンチの監督に情報を送る。また、ファン向けのソフトも開発。コロナ禍で開幕当初は無観客となる可能性もある中、新しいスポーツの楽しみ方も提案する。

チームを傘下に置くフューチャーの金丸恭文会長は「チームを持つのは福利厚生ではない。欧州型のクラブチームとして、本気で日本一を目指す。そのために我々は最強の裏方になります」と話した。東京に本拠を置くチームの日本リーグ参戦は17年ぶり。ジークスター東京が、ハンドボール界を変える。【荻島弘一】