元F1ドライバーの佐藤琢磨(43=ホンダ)が3年ぶり2度目の優勝を果たした。インディシリーズ今季初勝利で通算6勝目。予選を自己最高の3番手発進から上位争いを展開。終盤トップに立ち、今年で104回目を迎えた米国伝統のレースで日本人初優勝となった17年以来、再び頂点に上り詰めた。新型コロナウイルスの影響により無観客開催となった。
佐藤の信条は「ノーアタック、ノーチャンス(攻めなければ、チャンスはない)」。挑戦する姿勢を貫き、ドライバー人生を切り開いてきた。10歳の時にF1日本グランプリ(GP)を観戦。カーレーサーを志すきっかけとなったがレースに親しむ環境がなく、大学までは自転車に打ち込んだ。20歳で鈴鹿レーシングスクールに入校し、首席で卒業。奨学制度を受けて参戦した英国F3で頂点に立ち、F1参戦を勝ち取った。
F1ではスーパーアグリに所属していた08年に資金難でチームがシーズン中に撤退する苦難も味わった。10年からインディカー・シリーズに参戦し既に11季目。「レース人生が、F1よりも長くなるとは想像していなかった」と実感を込める。40歳で伝統のインディ500初優勝を飾り、3年後に再び頂点に。「もう少しレースがしたい。僕にとって43という年齢は数字にすぎない」。不惑を越え、走りは成熟の度合いを増している。


