ノルディックスキー・ジャンプの全日本選手権は24日、長野・白馬ジャンプ競技場でノーマルヒル(ヒルサイズ=HS98メートル)が行われる。23日、公式練習に臨んだ女子の高梨沙羅(24=クラレ)が、今季初戦への思いを口にした。「やっとシーズンが始まることに楽しみな気持ちやうれしさがあるけど、まだまだ社会的に大変な中で試合をさせていただけることに感謝の気持ちでいっぱい」と話した。

“姉離れ”で新たなスタートを切る。13年から個人コーチを務めていた女子の第一人者、山田いずみ氏(42)が昨季限りで指導から退いた。9歳の長男を育てながらの両立は大変で、同氏が決意した。高梨は「ずっと小さい時からあこがれの大先輩。ずっとコーチとしてついていてくださったので、寂しい気持ちもある」と別れを惜しむ。それでも「やるしかない」と前を向く高梨に、同氏も「十分、独り立ちできる」とエールを送る。

22年北京五輪のプレシーズンがやっと動きだす。公式戦は3月のW杯以来となる。「試合勘がまだつかめていないけど、徐々につかめてくると思う。シーズン初戦でいい波に乗るためにも、しっかり自分のやるべきことに集中したい」と、好スタートを切るつもりだ。

ジャンプ選手としてできることは-。「ジャンプで何かを感じてもらえることが一番やりがいがあるし、それが仕事だと思っている。元気や勇気を与えられるようなパフォーマンスを目指す」。高梨は例年以上に気持ちを高め、プレシーズンに臨む。【保坂果那】