女子は上田藍(37=ペリエ・グリーンタワー・ブリヂストン・稲毛インター)が、57分35秒で4年ぶり6度目の優勝を果たした。06年大会を35歳で制した庭田清美の記録を更新し、大会史上最年長制覇を達成。3連覇を目指した高橋侑子(29=富士通)は58分12秒で5位と振るわなかった。

37歳のベテランが、勢いのある若手の挑戦を退けた。上田はラン残り1周回時点で20歳年下の中嶋千紗都(17=山梨学院高/チームケンズ山梨)と1秒差の2位に付け、スパートをかけるタイミングを見計らった。「(中嶋は)年齢が半分以下の選手とトップ争いで気合が入りました」。共に走力が持ち味の現役高校性との対決を制し、レース後には「あっという間の1時間でした」と満面の笑みを見せた。

苦手のスイムで上位集団に後れを取らなかったことが、勝利につながった。コロナ禍で泳力に磨きをかけたことが実を結んだ。スイム終了後のタイムは3連覇を目指すライバルの高橋が7秒上回っていたが、得意のバイク、ランで挽回する「勝ちパターン」に持って行った。狙い通りの戦いぶりで頂点に輝いた。

新型コロナの状況が深刻化しても、悲観視することはなかった。「できないことを考えるより、できることをやろう」と考え、長野でトレーニングに打ち込んだ。9月にはドイツ・ハンブルクでの世界大会に出場。感染リスクを警戒しながら、来夏の東京オリンピック(五輪)へ向け世界レベルを体感したいと決断した。五輪4度目の出場へ「若い選手も成長しているけど、負けてられません」。年齢を重ねても向上心は衰えることはない。【平山連】