飛龍が藤枝明誠を78-67で破り、2年ぶり10回目の優勝を飾った。徹底した「明誠対策」が実り、第4クオーターに逆転を許した前回大会決勝のリベンジを果たした。全国大会(ウインターカップ、12月23日開幕・東京)の組み合わせ抽選は、26日に行われる。

流した悔し涙が、うれし涙に変わった。昨年決勝。飛龍は最大17点差を逆転され、藤枝明誠に敗れた。屈辱から1年。今度はベンチも含めて全員で声をかけ合い、最後は11点のリードを守って試合終了のブザーを聞いた。チーム最多23得点を挙げた古大内雄梨(ふるおおうち・ゆうり、3年)は「めちゃくちゃうれしくて涙が止まらなかった」と、喜びをかみしめた。

対策が実った。明誠が登場した4回戦から準決勝まで全4試合の映像をチェック。ドライブやターンの方向など相手の特徴を細部まで分析し、頭にたたき込んだ。さらに、明誠戦のために“新調”したセットオフェンスも機能。攻守で上回った。原田裕作監督(37)は「去年の負けは監督の力のなさ。悔しさは1度も忘れたことはない。『昨年の3年生の思いも乗せて』と言い続けてきた。子どもたちが、この試合のために準備してきたことを表現してくれた」と目を細めた。

全国大会までは、約1カ月。古大内が「もっと攻撃のバリエーションを増やしたい」と言えば、司令塔の保坂晃毅(3年)も「まだまだ足りない部分がある。全国の強豪にも勝てるようにしていきたい」と進化を誓った。県制覇に満足することなく、同校過去最高の4強を目指す大舞台に備える。【前田和哉】