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今日の1枚

日刊スポーツが蓄積してきた写真の中から厳選して紹介します。

2020年11月8日
2020年11月8日

20年11月8日、フィギュアスケート東日本選手権・ジュニア女子フリーで演技をする千葉百音。


今日の出来事

浅田真央がロシア杯首位発進。3季ぶりGPファイナルが見えた(2011年)

GPロシア杯◇◇25日◇モスクワ・メガスポルト

3季ぶりのGPファイナルが見えた! 女子SPで、浅田真央(21=中京大)が64・29点で首位に立った。トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を回避して臨み、完璧な演技を披露。国際大会では09年4月の世界国別対抗戦以来、海外の開催に絞れば08年2月の4大陸選手権以来、3年9カ月ぶりの首位発進となった。今井遥(18=東京・日本橋女学館高)は55・20点で6位だった。

 ◇ ◇ ◇

迷いなく滑り込んだ先に、光があった。冒頭のジャンプ。浅田は力強く左足を踏み込んだ。代名詞のトリプルアクセルではない。余裕のあるダブルアクセル(2回転半)が鮮やかに決まった。流れるような着氷のまま、リズムをつかんだ。

スピードが消えなかった。3回転-2回転の連続ジャンプ、3回転ループも軽やかに舞い降りた。あとは軽快に、千夜一夜物語「シェヘラザード」のお姫さまを演じるだけ。アラビアの世界へ、ロシアの観客を引きずり込んだ。佐藤信夫コーチが何度も手をたたく出来栄え。

掲示された得点は今季自己最高64・29点。海外の国際大会SPでは実に3年9カ月ぶりの首位。

浅田 ミスが許されない緊張感があったけど、まずまずの演技ができた。スピンで揺らついたけど、あとは問題なく行けたかな。

有言実行の大技回避だった。前日に「100%でなければ跳ばない」と宣言して迎えた朝の公式練習。3回転半ジャンプは2度とも両足着氷。練習後にはもう、決断していた。

浅田 自分の判断で決めました。先生に相談せずに(2回転半に)したんですけど、(次は)「スピンの練習が必要だね」と言われました。(回避を)分かっていたんだと思います。

1度決めてしまえば、後は心が落ち着いた。昼寝をし、ご飯を食べて、ゆっくり過ごした。効果は、ほかの演技で如実に表れた。

2回転半ジャンプでさらに1点の加点を得ただけでなく、ステップでは最高難度のレベル4を獲得。表現力を示す5項目はすべて高得点の7点台後半だった。

浅田 (2回転半にして)良い出だしだと思います。判断は正しかったです。

会場のメガスポルトは、4月の世界選手権で6位に沈んだ。苦い思いを、練習で吹っ切る。ほかの選手との35分間練習では真っ先にジャージーを脱ぎ、最後までリンクに残った。

浅田 練習が安定していれば、本番でもできるんだなと、確信できました。

2位以内で決まる3季ぶりのGPファイナル進出が見えてきた。さらに、08年NHK杯以来のGPシリーズ優勝も目前に迫った。

浅田 もちろんファイナルに行きたいけど、まずは自分のできる演技を。トリプルアクセルは、まだ分からない。(優勝は)明日に懸かっていると思うので、明日は明日で集中したい。