男女シングルスは開志国際がアベック優勝を決め、個人タイトルを独占した。女子は児玉彩乃(2年)が初優勝。決勝は昨年覇者で主将の佐藤杏香(2年)との同僚対決となったが、3-1で快勝した。

児玉が放った強烈なスマッシュは佐藤杏の背後を突き、ウイニングショットになった。昨年のチャンピオンに3-1の快勝。「(佐藤杏に)今回、初めて勝った」という喜びを胸の奥にしまって淡々と優勝をかみしめた。昨年の1年生大会決勝で敗れている同僚への「リベンジ」でもあった。

「私は守りに入ると弱い。だから相手がカットしたボールをドライブで攻めて、左右に揺さぶった」。そんなプランを実行して県の頂点をつかんだ。「今日は調子がいい」という手応えを、プレーで証明してみせた。11月の下越地区大会・個人シングルス8強から大躍進だった。

佐藤杏は大の仲良しだ。試合前にはお互いの手の甲に「いつでもスマイルしようね」というフレーズを書き合ってゲームに挑んでいた。準決勝の前には「決勝で当たろう」と約束もしていた。そんな誓いを実現させて決勝に進出。「個人戦では、(佐藤杏は)敵」と、気持ちを切り替えて最後は勝った。

個人戦シングルスは優勝しても全国大会にはつながらない。しかし、児玉にとっては確かな自信になった。前日21日の団体戦では優勝し、12月の北信越大会(石川)に進出。同大会で上位4校に入れば、来年3月の全国選抜大会(三重)につながる。「今回、優勝できた。選抜に向かって今から調子を上げていくことができる」。山形県長井市出身。寮生活をしながら卓球に取り組んできた努力が、県シングルス女王として結実した。【涌井幹雄】