全国高校バスケットボール選手権(ウインターカップ、23日開幕=東京体育館ほか)女子に新潟産大付が2年連続で出場する。昨年は、夏冬を含む全国大会に初出場して初戦勝利。1年生でただ1人、スターターとして出場したPG小林愛(2年)が、1回戦の安城学園(愛知)戦で復活する。9月に右手を骨折。11月の県予選は不出場だっただけに、大舞台のコートでプレーする喜びを表現する。

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ボールを味方にパスするPG小林愛の右手首に近い前腕には、ボルトが1本埋まっている。9月の練習試合で転倒し、橈骨(とうこつ)と尺骨を同時に骨折。手術を施し、折れた橈骨をボルトでつないだ。除去手術を施すのは来年3月以降だが、痛みはすっかり引いている。「みんなのおかげで(全国大会出場の)チャンスをもらった。無駄にしたくない」。コート復帰する全国大会へ、気迫が充満していた。

リハビリ期間中は走り込みなど、スタミナ維持に努めた。しかし、筋力は低下した。右手の握力は16キロまで落ちた。故障中はボールに触れられず、ボール感覚も鈍った。チーム練習に本格的に合流したのは12月から。「ケガでシュート確率が落ちた」と今はシュート力の回復に懸命だ。毎年、12月中旬に行われていた2年生の修学旅行はコロナ禍の影響で来年2月に順延。その分、練習を積めるのは、故障明けの小林愛にとって追い風になる。

昨年のウインターカップは1年生でただ1人、先発出場した。1回戦の酪農学園大付とわの森戦(北海道、76○68)と2回戦の津幡戦(石川、60●73)で1試合平均7・5得点、4・5リバウンド。「先輩たちがいたから、ミスを怖がらずにできた。ただ、もっと仕掛けられる場面があった」と初の全国で得た手応えと課題を2度目の大舞台で確かめ、克服する。11月のウインターカップ県予選は、マネジャーとしてベンチ入りしていた。「ベンチで、出たいと思いながら試合を見ていた」。コートへのあふれる思いを、小林愛は全国大会でぶつける。【涌井幹雄】

◆小林愛(こばやし・あい)2004年(平16)3月21日生まれ、新潟市出身。柳都中。ポジションはPG。バスケットボールは桃山小5年から中地区ミニバス教室で開始。小中を通じて全国大会の経験なし。157センチ、52キロ。