昨年1回戦で報徳学園(兵庫)に大会史上最多162失点を喫し大敗した山形中央が、旭川龍谷(北海道)に勝利し山形県勢16年ぶりとなる花園1勝を挙げた。部員数は今大会出場63校中最少の17人だが、逆境をはね返した。3大会ぶり68度目出場の秋田工は68-0で東海大静岡翔洋に大勝。盛岡工(岩手)は初戦で敗れた。初日の青森山田、仙台育英に続き、東北勢は4校が2回戦に進出した。

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出場63校中最少の部員数「17人ラグビー」で、県勢16年ぶりの花園1勝をつかんだ。前半2分、ゴール前ラックから左に展開し、最後はWTB森本大介(1年)が左隅に先制トライ。同22分にはCTB叶内周蒔、前半終了間際にはフランカー菊池優希と、2年生コンビのトライで差を広げた。セットプレーでは一丸となって相手の攻撃をしのぎ、無失点に抑えた。佐藤大志監督(35)は「緊張していた部分もあったと思う。その中でも、良い試合をしてくれた」と選手を称賛。指揮官にとって、就任7年目でつかんだ全国初勝利だった。

「悔しくて、悔しくて」。プロップ横尾輝主将(3年)は、あの敗戦を忘れない。前回大会は1回戦で報徳学園に大会ワースト記録となる、1試合162失点を喫し大敗。14大会連続で初戦で姿を消した。横尾主将は「今大会に全てをぶつけるつもり。敗戦後は、個人のレベルアップに励み、選手1人1人が全国1勝を強く思うようになった」と敗戦を糧に一回り成長した。

ここ数年、部員数の確保が難しく、今年はリザーブ2人だけの17人。言うまでもなく、実戦練習はままならない。そのため月2、3回ほど、同校ラグビー部OBが練習に参加。先輩の胸を借りながら汗を流した。横尾主将は「勝った喜びを感じるとともに、今まで支えてくれた方々へ感謝の気持ちもある」。見事、勝利で恩返しを果たした。

次戦は30日、部員数100人の東海大相模(神奈川)と対戦する。横尾主将は「僕たちは人数が少ない。でも、大人数のチームより結束力は固い」と胸を張る。山形中央セブンティーンが、ワンチームで強豪私立に挑む。【佐藤究】

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