最多63校出場による第100回大会の1回戦が無観客で行われ、大分東明は57-5で開志国際(北信越ブロック)を下し、2大会連続で初戦を突破した。

大ヒット漫画「鬼滅の刃」に登場する人気キャラクター、炎柱・煉獄杏寿郎が放つ名ゼリフ「俺は俺の責務を全うする」をテーマに前進。固い結束で、フィジーからの留学生3人とともに9トライ、6ゴールで圧倒した。

   ◇   ◇   ◇

大分東明が「炎の呼吸」を使って鬼退治に臨む剣士魂で敵を一蹴した。全員が“炎のようなプレー”を意識していたという。その心が煉獄杏寿郎の「俺は俺の責務を全うする」だった。

前半から闘志万々。自慢のすばやくボールを動かす高速展開を仕掛けた。前半6分、ゴール右5メートルのラックからSH宮川主将、SO安藤と左につなぎ、最後はWTBナコが182センチ、96キロの巨体で相手守備を粉砕し中央に先制トライ。「鬼滅-」は日本漫画も、テレビや映画で見て「感動した」と明かす。メンタル強化に役立ったという。

遠く離れたフィジーの家族も、試合中継を観戦していた。「最初のトライを取り、家族に見せたかった」。燃える理由はたくさんあった。前回大会は2回戦の開始10分で負傷交代。白田誠明監督(44)が「みんなが分かりやすいから」と掲げた漫画のテーマに、自身の苦い思いも重ね、責務を全うした。

この日の快勝は、チームのスローガン「エンジョイ・ラグビー」で2度目の花園をのびのび楽しんだ結果でもあった。試合中も無観客のグラウンドに「楽しもう」という大声が響き渡り、明るいムード。フィジーからの留学生3人の活躍に加え、1年生の俊足WTB浦川とCTB浦山がトライを奪うなど、固い絆は緩むことなく、皆が暴れた。

30日の2回戦は、シード校の目黒学院(東京第1)が相手に決まった。だが、ひるまない。目指すは8強。SH宮川主将は「大きい壁だが突破したい」。“煉獄軍団”がシード斬りで歴史を刻む。【菊川光一】

高校ラグビー全成績はこちら―>

高校ラグビー組み合わせはこちら―>

◆大分東明 1952年(昭27)創立の男女共学私立校。普通科、商業科、看護科、看護教養科に1836人(女子981人)が学ぶ。ラグビー部創部は77年。部員69人。主なOBは俳優ユースケ・サンタマリア、Jリーガー清武弘嗣(C大阪)ら。所在地は大分市千代町2の4の4。