高木美帆(26=日体大職)が前人未到の5冠を達成した。まずは世界記録を持つ1500メートルで国内最高記録とリンク記録を更新する1分54秒08で圧勝すると、5000メートルでも7分7秒33。10年1月に穂積雅子がマークしたリンク記録を11シーズンぶりに0秒23塗り替える貫禄勝ちだった。初日の28日に500メートルと3000メートル、前日29日に1000メートルを制しており、3日間全5種目で完全制覇した。高木美は疲労感を漂わせながら「5冠より5本走り切れたことへの達成感がある」と満足そうな様子だった。

コロナ禍での大会開催へのありがたみを感じている。「いつ大会がどうなるかわからない状況なので、出られる時に出たいって気持ちがあった」と、貴重な実戦機会を逃すまいという思いで全種目出場を決めた。収穫は「このハードなスケジュールを滑りきれるだけの体を作ることができた」。海外遠征へ行けず、国内調整が続く中での練習の成果を実感していた。

これまで4種目の総合成績で競った同大会。今年は男女各5種目が行われ、種目ごとに優勝者を決める距離別競技会として実施された。高木美は16年に全4種目制覇で総合優勝していた。