ノルディックスキー・ジャンプSTV杯は10日、札幌・大倉山ジャンプ競技場(ヒルサイズ=HS137メートル)で行われ、女子は22年北京オリンピック(五輪)で初代表を狙う丸山希(22=明大)が合計242・2点で優勝した。4年前に病気で50歳で亡くなった母信子さんの命日に勝利を挙げた。

男子は10年バンクーバー五輪代表の栃本翔平(31=雪印メグミルク)が1回目3位からの逆転V。公式戦優勝は2勝した15年1月以来6年ぶりだった。

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伊藤有希(26=土屋ホーム)が貫禄の大ジャンプも、新年初戦を飾れなかった。2位から逆転を狙った2回目で140・5メートルの最長不倒を記録したが、トップに合計1・2点差で敗れた。「自分のベストジャンプをしても優勝できなかった。まだまだ自分の力不足」と悔やんだ。

1回目、実力を信じて仕掛けた。コーチリクエストでスタート位置を他選手より2段下げた。直前2選手が風の好条件もあり、130メートル台をマーク。同じ条件では伊藤なら飛び過ぎる可能性があった。W杯など海外遠征を控え、ケガのリスクを回避するための判断だった。ところが直前は風速1メートル以上あった風が、伊藤の時は0・66メートル。飛躍内容は悪くなかったが、風に恵まれず123メートル。130メートル台を飛んでいれば得られたゲート加点もなかった。

それでも納得のジャンプを出せたことは自信となった。2回目のヒルサイズ越えは、W杯開幕戦(オーストリア・ラムソー)から帰国後2週間の隔離期間で崩していた調子が上向いている証し。「この後も1試合1試合、目の前の試合に集中していきたい」。11日HBC杯では結果にもつなげ、W杯や世界選手権(2月、ドイツ)にはずみをつける。【保坂果那】

▽男子で同大会初優勝、自身6年ぶりの公式戦Vを逆転でもぎ取った栃本翔平(31=雪印メグミルク) やっぱり優勝はいいですね。(2回目141メートルで)これをきっかけにシーズン通して好成績を残せるようにしたい。